地平線の彼方へ
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道標
Sound Horizon

† Revo

他、気が向き次第追加予定。
† Revo
leviathan/終末を告げし獣

■GUNSLINGER GIRL Image Album「Poca felicita」

■霧の向こうに繋がる世界
Chronicle
■[序章]Sound Horizon

■[表紙]Black Chronicle

■[168p]詩人バラッドの悲劇

■[324p]アーベルジュの戦い

■[457p]樹氷の君 〜凍てついた魔女〜

■[602p]蒼と白の境界線

■[816p]雷神の左腕

■[903p]少女人形

■[背表紙]君が生まれてくる世界
Thanatos
■Sound Horizon[mode:Thanatos]

■そこに在る風景

■壊れたマリオネット

■銀色の馬車

■輪廻の砂時計

■珊瑚の城

■タナトスの幻想
Lost
■Sound Horizon[mode:Lost]

■白の幻影(White Illusion)

■恋人を射ち堕とした日

■魔法使いサラバント

■檻の中の遊戯

■記憶の水底

■失われし詩

■緋色の花

■ゆりかご

■永遠の少年

■忘レモノ

■ぴこまり☆ジャンケン
Chronicle 2nd
■黒の予言書

■詩人バラッドの悲劇

■辿りつく詩

■アーベルジュの戦い

■約束の丘

■薔薇の騎士団

■聖戦と死神  第一部「銀色の死神」 〜戦場を駈ける者〜

■聖戦と死神  第二部「聖戦と死神」 〜英雄の不在〜

■聖戦と死神  第三部「薔薇と死神」 〜歴史を紡ぐ者〜

■聖戦と死神  第四部「黒色の死神」 〜英雄の帰還〜

■書の囁き

■蒼と白の境界線

■沈んだ歌姫

■海の魔女

■碧い眼の海賊

■雷神の右腕

■雷神の左腕

■雷神の系譜

■書の魔獣

■キミが生まれてくる世界

■<ハジマリ>のクロニクル

■<空白>のクロニクル
Pico Magic
■お願いっ!ぴこ魔神☆

■ぴこDJ☆

■詩人バラッドの悲劇

■辿りつく詩

■雷神の系譜

■Ark[Pico Magic Ver]

■魔女とラフレンツェ[Pico Magic Ver]

■魔法使いサラバント

■恋人を射ち堕とした日

■銀色の馬車

■タナトスの幻想は終わらない…
Pico Magic Reloaded
■...Reloaded

■屋根裏の少女

■檻の中の遊戯

■檻の中の花

■Ark[Reloaded Ver]

■輪廻の砂時計

■澪音の世界

■ぴこまりんご飴☆
Roman
朝と夜の物語



見えざる腕

■呪われし宝石

■星屑の革紐

■緋色の風車

■天使の彫刻

■美しきもの

■歓びと哀しみの葡萄酒

■黄昏の賢者

■11文字の伝言
leviathan/終末を告げし獣
■オープニングテーマ:March After Millennium

■エピソード1:『終末を告げし獣』 辺境からの生還者

■エピソード2:『ハルトゼーカーの小人』 少女曰く天使

■エピソード2:『ハルトゼーカーの小人』 メルトキアの女王

■エピソード3:『闇の紳士録』 召喚という儀式

■エピソード3:『闇の紳士録』 死刑執行

■エピソード4:『なくしもの』 ブードゥーの心臓

■エピソード5:『Day Dream』 さつきの箱庭

■エピソード5:『Day Dream』 砂の城
 
■エンディングテーマ:The Beast of the Endness
聖戦のイベリア
■争いの系譜

■石畳の緋き悪魔

■侵略する者される者
Ark
Ark

「箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬(器官)に手を加えて
驕れる無能な創造神(神)にでも成った心算なの…」

...Love wishing to the “Ark”

(崩壊 其れは孕み続けた季節 二月の雪の日 妹(Soror)の記憶)

「我々を楽園へ導ける箱舟は
哀れなる魂を大地から解き放つ
救いを求める貴女にアークを与えよう」
『アークと呼ばれた物』(それ)は月光を受けて銀色に煌いた…

想い出まで裏切った 冷たい言葉の雨
幸せだった二人 永遠に届かなくなる前に…

「ねぇ...何故変わってしまったの? あんなにも愛し合っていたのに…」
涙を微笑みに換え詰め寄る 『アークと呼ばれた物』(Knife) を握って…

...愛憎の箱舟(Ark)

『さぁ、楽園へ還りましょう?お兄様…』

(因果 其れは手繰り寄せた糸 六月の雨の日 兄(Frater)の記憶)

信じてたその人に裏切られた少女
逃げ込んだ楽園は信仰という狂気
新しい世界へと羽ばたける自己暗示
澄み渡る覚醒は『進行』という凶器

最期の瞬間に廻った 歪な愛の記憶
脆弱な精神(ココロ)が堪えきれず あの日嘘を吐いた…

律すれば律する程落ちる 赦されぬ想いに灼かれながら
まぐわう傷は深く甘く 破滅へ誘う…

...背徳の箱舟(Ark)

『さぁ、楽園へ還りましょう?お兄様…』

被験体1096 通称 『妹』(Soror) 同じく
被験体1076 通称 『兄』(Frater)を殺害

(Soror with the "Ark", Frater in the Dark)

<症例番号(Case Number)12>
過剰投影型依存における袋小路の構型(Model)
即ち 『箱舟依存進行』 (Ark)

(Soror with the "Ark", Frater it's Dead)

限りなく同一に近づける 追憶は狂気にも似た幻想
求める儘に唇を奪い合い 少しずつ楽園を追われてゆく
同じ心的外傷(トラウマ)重ねれば響き合う けれどそれ以上には…

「箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬(器官)に手を加えて
驕れる無能な創造神にでも成った心算なの?」 か…

『さぁ、楽園へ還りましょう?』

在りし日に咲かせた花弁は 暗闇に散り逝くように凛と
少女の声色で囁く 「楽園へ還りましょう」…

...Love wishing to the “Ark”

監視卿(Watcher)は天を仰ぎ深い溜息を吐く
失った筈の 『左手の薬指』(場所) が虚しく疼いた
ふと彼が監視鏡(Moniter)の向こうへ視線を戻すと
嗚呼...いつの間にか少女の背後には仮面の男が立っていた…
辿りつく詩
辿りつく詩

盲目の詩人 Luna は静かに唇を開いた…

これより歌うは...ある娘が 大切なモノに辿りつく迄の詩
苛酷な旅よ 困難な途よ それでも娘は決して諦めなかった
物語は運命を呪うより 苦しくとも詩い続ける途を選ぶ
いづれ歴史が全てを葬りさろうとも 今は唯...瞳を閉じて聴いておくれ…

愛しい人よ アナタは何処に
手掛かりひとつなく
孤独な旅の 道連れの詩は
遠い空へ 霞んで消えた

天堕つる雨 手の平に
零れ落ちた雫(ナミダ)…

幾つもの深い森を抜けて 険しい山を越え
町から街へ 知人から他人へと
想い人を 尋ね歩いた

天翔ける追想(ユメ) 星空に
誓った接吻(ヤクソク)は…

『嗚呼...Endymio…』

虚ろな世界を夕闇が包み込む
帰れぬ私は 独り何処へ往く

予言書が肯定する史実 争いの歴史
戦禍という名の爪痕 大地を灼き尽くす焔
家族...恋人...愛する者の消息も知れず
多くの者達が為す術もなく引き裂かれた時代

娘の旅は 道連れとなった詩を遡るように
とある城で牢番をしていたと言う男へ

そして...推測から確信へと辿りついてしまった
切なくも懐かしき調べ その詩を綴ったのは

挫けそうな私をいつも支えてくれたのは
恋人が最期に遺してくれた この名も無き詩よ

「運命よ...例えお前が瞳から光を奪い去ろうとも
この唇からは詩を奪えない…」

辿りつく詩は 夕闇に陽を灯し
枯れてなお花は 凛と其処に咲く

嗚呼...吹き荒れる悲しみの…

嵐が訪れ 全て薙ぎ倒しても
大切なモノは 絶えず此処に在る

(大切なモノに 辿りつく詩)
(大切なヒトに 辿りつく詩)
君よ...大切なモノに辿りつく途を見つけたら もう迷うことなかれ

(大切なモノに 辿りつく詩)
(大切なヒトに 辿りつく詩)
例え茨の途であろうとも 歌をくちずさめばそれもまた楽し

(大切なモノに 辿りつく詩)
(大切なヒトに 辿りつく詩)
詩えない人生になど 意味はないのだから

(大切なモノに 辿りつく詩)(大切なヒトに 辿りつく詩)

大切なモノへと...辿りつく場所へと...
白鴉が目指す地平...あの空の向こうへ…
恋人を射ち堕とした日
恋人を射ち堕とした日

弓がしなり弾けた焔 夜空を凍らせて
凛と蒼く別離の詩を 恋人を射ち堕とす…

遠い日の忘れ物 引き裂かれた傷痕
呪われし約束をその胸に宿して

「避けられぬ終焉は せめて愛しいその手で…」
抗えぬ衝動の闇が彼を包んだ…

歪む世界螺旋の焔 輪廻を貫いて
凛と緋く血塗れくちづけ 恋人を射ち堕とす…

『忘れ物はありませんか…?』

古の伝説 その魔物に傷を負わされた者は
呪いが全身を駈け廻り
やがては同じ魔物に成り果てるだろう…

『その傷を負ったのはいつ…?』

それは二人が出会ったあの日まで遡る
彼が彼女を助けた時に負った傷
全ては出会った時から始まっていた…

『出会いは喪失への約束』

枯れ果てた涙は 哀しみの蒼い焔を宿し
銀色に輝く矢を放つ
何度でも 唯...彼が息絶えるまで…

(Lost)
愛する人を失った世界には
どんな色の花が咲くだろう?

月を抱いた十字の焔 茨を捲きつけて
凛と白く最期の弓矢(Arrow) 私を射ち堕とす…

『愛する人を失った世界には、どんな色の花が咲くの?』
澪音の世界
澪音の世界

荒れ果てた野を 一人の少女が往く
正確には一人と一匹 少女の右手には赤い紐
その先に結ばれたる首輪もまた赤く
黒銀の毛並みを持つ犬は 小さく吠えた
飼い主たる少女 『澪音』 に語りかけるかのように…

豪奢な廃墟に転がり 冷たい雨に怯える
輝ける名誉も権力も 今ではもう過去の所有物(モノ)

観測とは事実の側面を抉り取る刃物(Knife)
その男は果たして...何を得...何を失ったのか…

奪いし物は奪われ 斯くして世界は廻る
降り止まない雨の向こうに 何色の空をみる

代償(Risk)を背負うほど 加熱する駆け引きは
全て失くすまで気付かない 度し難い自我(Ego)の下僕…

空虚な廃墟に転がり 冷たい雨に震える
帰る場所も待ってる人も 今ではもう過去の支配領域(バショ)

推測とは事実の背面を削ぎ落とす刃物(Knife)
その男は果たして...何を見...何を悟ったのか…

奪いし者は奪われ 斯くして時代は廻る
降り止まない雨の向こうに 何色の空がある

運命を捩じ伏せ 従える心算でも
未来(トキ)を掴もうと伸ばした その腕では短か過ぎた…

閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間世界は
幻想し得る最悪の狂夢を...残酷な死神を見る…

――澪音の世界

『死』 とは...精神(ココロ)に先行して
まず肉体(カラダ)に依存する感覚から朽ち果てるものらしい
なればこそ人間は散々忌避し逃避を企てながらも
招かれざる死の冷たい接吻に堪え得るのだろうか…

絶え間ない恐怖感が雨となり降り続けるという幻想
それは...生きながらにして精神(ココロ)を壊されてゆく苦痛
硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡
罪人は少女の瞳の中に唯 『世界』 を見るという…

百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り
憐憫...侮蔑...的外れな嘲笑...謂わば対岸の火事
燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる
この世界で何人が罪を犯さずに生きられると言うのか…

澪音の世界――

閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間世界は
幻想し得る最悪の狂夢を...残酷な死神を見る…

薄氷色(Ice blue)に煌く瞳が鮮やかに朽ちる世界と
堕ちてゆく狂夢に唇を重ねて...残酷な死神になる…

地に蔓延りし我ら罪人の群れ
願わくば...君が澪音の世界に囚われないことを…
魔法使いサラバント
魔法使いサラバント

昔あるところに 恋人を亡くしたひとりの魔法使いがいた
彼が求めたのは 死者を甦らせる禁断の秘法
領分を侵す者に降りかかるのは 厄災のみと識りながら
何故人は求めるのか? 人智を超えた魔神の力を…

吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて
若い旅人の行く手を阻む
旅の道連れは一頭の駱駝
砂丘を乗り越えて街へと向かう…

「魔法のランプが欲しくはないか?」
胡散臭い髭の男が囁いた
薄暗い路地裏での駆け引き
彼は男が持ち出した条件を飲んだ…

ランプを擦ると魔神が現れ 3つの願いを叶えてくれると言う
願い事を1つ譲るという条件で 彼はその在処を聞き出した
そのランプは 南西にある洞窟に封印されているという
片足が悪いという男の代わりに 彼は穴の中へと降りた…

砂漠の下には 大きな空洞
冷たい空気が 背筋を掠める
洞窟の奥には 怪しい祭壇
黄金のランプと 古びた絨毯
ランプを手に取ると 洞窟が崩れた
「ランプを早くこっちへよこせ!」 男が叫んだ…

『忘れ物はありませんか…?』

暗い闇の中 懐かしい声を聴く
暖かな光 愛しい声を聴く

「貴方はまだこっちへ来てはいけないわ
遣り残したことがきっとあるはず…」

暗い闇の中 懐かしい声が言う
暖かな光 愛しい声が言う

「失われたモノの為に願うより
今目の前にあるモノを見つめて…」

目醒めれば砂が巻き上がる 砂丘の上で抱かれていた
黒髪の美しい少女 泣きながら微笑んでいた

「古の罪と罰の輪舞曲(Rondo) ランプに閉じこめられていた
愚かな私を出してくれた御主人様(Master)
さぁ願いをどうぞ 叶えましょう」

3つの願い全て叶えたら少女は再び
唯冷たい砂の下で幾千の孤独に震える…

そして彼は願った…

吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて
若い旅人の行く手を阻む
旅の道連れは二頭の駱駝
長い黒髪の少女が一人…
雷神の系譜
雷神の系譜

世界を救いし隻腕の英雄亡き後
邪神が封印されし地に街を築き
自らが結界の役割を果たし
永き平和への礎と成す...

誇り高き右腕に刻まれし雷の紋章(証)
彼の者達の名は 雷神の民
伝承の謎 紋章の秘密
少年が描く軌跡 雷神の系譜

弱い者ほど徒党を組み
身代わりの羊を捜す
愛を知らない幼き日々は
灼けた石の痛み

ひとり唇噤んだまま
膝を抱えて耐えていた
雨も宿ればいづれ過ぎ去る
嵐もまた然り

されど輝かざる紋章(印)
本当の強さってなんだろう?
差し出された少女の小さな手が
とても大きく見えた…

黙したまま何も語らぬ歴史の手の平の上で
出会ってしまった少年と少女の物語
十年の歳月も一閃の雷が如く
過ぎ去ってしまえば刹那
今...黒の歴史が再び動き出そうとしている…

遠い空見上げて この胸を焦がす
浮かぶのは彼女の 愛らしい笑顔だけ
適わぬ想いと 識っていながら…

麗しの君は何故 一族の長の娘
部族一強き者の許へ
嫁ぐこと定めしは 変えられぬ民の掟

嗚呼...雷無きこの腕じゃ 君のこと護れない?
想いなら誰にも負けないと
叫んでもその言葉 虚しくも風に消えた…

期は満ちようとしていた 長の娘も今年で婚礼を定められし齢十六
その誕生の日が差し迫り 一族の猛者達は競って名乗りを上げた
期は満ちようとしていた 邪悪なる波動が街全体を包み込み
空に立ち込めたる暗雲は <三度目の嵐>の訪れを告げようとしていた…

「おぉ...何ということじゃ(どうなされました?おばば様) 
黒き法衣を纏いし者達の影が見える
予言書の死と 奴らを封印の深奥へ行かせてはならん
邪神の封印を解こうとしておるのじゃ
いまや雷神様の血も薄れ 我らに扱えるは小さき雷のみ
あぁ恐ろしいや 天地を揺るがす強大な力じゃ 来るぞ...あぁ来るぞ…」

地を割る咆哮 天を裂く爪牙 烈火の如く燃えさかる六対の翼
暗黒を宿した瞳に魅入られただけで 勇猛なる戦士が次々と倒れていった…

嗚呼...人間は神の前では かくも無力なモノなのだろうか...
誰もが深い絶望に呑まれかけていたその瞬間
ひと際眩い閃光が雷(力)無き青年の体を貫いた…

「覚醒めよ...勇敢なる右腕を持つ者よ...
直系の雷を受け継ぎし者よ...
かつて私は邪神を封印せし折 雷の槍を放ったが故右腕を失った
今その雷を解放すれば 右腕はおろか全身が吹き飛ぶやも知れぬ
御主にその覚悟があるか?
…ならば今こそ覚醒めよ<雷神の右腕>よ!」

「ひとりでは耐え切れぬ 雷でもきっと
ふたりなら大丈夫 私は信じる!」

暗雲を貫く雷 あの日であった少年と少女は
今...二つの紋章重ね合わせて 輝ける未来を紡ぐ…

「…ちゃん...ねぇ...お婆ちゃん...お婆ちゃんったらぁ」
「どうしたの?それからお話どうなったの?」
「おぉ...そうだったねぇ ごめんよ」
「その後 雷神様が邪神をやっつけたんだよね?ね?」
「さてどうだったかねぇ...
昔の話だからもう忘れちゃったねぇ…」
「えぇー、そんなのずるいや!」

...そう言って微笑んだ祖母の瞳は とても優しい色をしていた
...その時の事は今でも印象深く覚えている
...私は信じているのだ 雷神の系譜は途絶えていないのだと…

受け継がれるモノ...受け継がれざるモノ...
暗雲を貫く光を翼に受け...その白鴉は羽ばたいて往く…
檻の中の花
檻の中の花

殺戮の舞台女優 『Michèl Malebranche』
彼女が犯罪史の表舞台に登場すること三度に渡り、
その短い生涯に於いては多くの奇怪な謎が残されたまま、
未だ完全には解明されていないのである。

(初舞台 「パパの幸せを描いてあげる…」 on 21 novermbre 1887)

実父 『Joseph Malebranche』 の凄惨な変死事件

証拠不十分及び、年齢に対する
殺害遂行能力に疑問の声が上がる。
現実と幻想の境界を認識出来ていない
類いの言動を繰り返し、
行動にも尋常ならざる点が多々見受けられた…。

(識られざる幕間劇)

鮮朱から冷蒼へ(De rouge vif au bleu froid)移り変わる 舞台の上に女優(Actrice)を呼ぶ
街角の影(Silhouette)手招くのは 闇(Tenebres)を纏った貴婦人(Dame noble)

素早く抱き寄せ 首筋に熱い接吻(Baiser)

少年(Garcon)の液体(Sang)は仄甘く 血赤色(Rouge)の陶酔感(ユメ)を紡ぎ
永遠の夜(Nuit)に囚われた 花(Fleur)は咲き続ける…

(二度目の舞台 「もう一度この手で彼女を…」 on 30 Juillet 1895)

養父 『Armand Ollivier』 の手による絞殺・死体遺棄未遂事件
深夜、半狂乱で笑いながら庭に穴を掘っている所を、
近隣住民の通報によって駆けつけた警察官に拠り逮捕。
その後、 『Ollivier』 は獄中にて完全に発狂した…。

(識られざる幕間劇)

鮮朱から冷蒼へ(De rouge vif au bleu froid)移り変わる 舞台の上に女優(Actrice)を呼ぶ
街角の影(Silhouette)佇むのは 闇(Tenebres)を纏った令嬢(Mademoiselle)

激しく愛して 花弁(Les petales)が堕ちるまで

女(Michèle)の勘を甘く見ないで 貴方(Monsieu)が愛してるのは
しなやかな若い肢体(Jeunesse corps) それは... 『私』(Bobo)じゃない…

(三度目の舞台 「少年の液体は仄甘く」 en 4 fevrier 1903)

『Michèl Malebranche』 による青少年連続拉致殺害事件
『Rouen』 郊外の廃屋にて多数の腐乱死体が発見される。
当時行方不明となっていた13人の少年達は、変わり果てた姿で
干乾びたような老婆 『Michèl』 の遺体に折り重なっていた…。

(自称...天才犯罪心理学者
『M. Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』 曰く)

「彼女がどんな魔法を駆使したのか、
それ私の識り及ぶ所ではないのだが、
殺害動機という観点でのみ論じるならば、
答えは明白であると言わざるを得ない」

「彼女は、自らを閉じ込める狭い檻の中から
抜け出したかったのでしょうな…
それも極めて偏執的なまでに。
...しかし、残念ながら
その願望は生涯叶うことは無かった。
...そして、死後1世紀を経過した今でも、
彼女はその檻の中にいる…」

「…何故そんなことが断言出来るのか?...良い質問だ。
よろしい、誤解を招くことを承知で、
この 『Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』
あえてここで公言しておこう。
我々もまた、彼女と同じ檻の中にいるからだと…」

( 『Michel Malebranche』 の手記に遺されていた詩の断片)

檻(Cage)の中で咲き乱れ 枯れ朽ち果てる前に
愛(Amour)を失くしたこの世界に… 捧ぐ...お別れの挨拶(Au revoir)

 ~ 連作幻想戯曲 『檻の中の花』  (著) Noel Malebranche
Yield
Yield

一人娘はせっせと種を蒔く
変わらぬ過去に 訪れぬ未来に

不毛な行為と君は笑うだろうか?
それなら君は 幸せなんだろうね…

根雪の下で春を待つの 夏が過ぎれば実りの秋ね…

豊穣...収穫...それは果実を産む
(harvest harvest it yields fruits)
最も遅い収穫...それは甘い果実を産む
(la la, latest harvest it yields sweets)

一夜限りの情事(ユメ)でも構わない
それをも女は 永遠に出来るから

不毛な恋と君は笑うだろうか?
やっぱり君は 幸せなんだろうね…

凍える夜は夢を見るの 夏が過ぎれば想いが実る

豊穣...収穫...それは果実を産む
(harvest harvest it yields fruits)
最も遅い収穫...それは甘い果実を産む
(la la, latest harvest it yields sweets)

『3』...不安定な数字『3-1』...模範的な数式
問題となるのは個の性質ではなく 唯記号としての数量
世界が安定を求める以上 早くどれか一つを引かなければ…

何故人間は恋をする
相応しい季節に出会えないの?
嗚呼...お父さん(Dad)お母さん(Mam)
「それでも私は幸せになりたいのです…」

恋心 甘い果実 真っ赤な果実
(Sweets, lala Sweets, lala 真っ赤なFruits)
もぎ獲れないなら 刈り取れば良いと…
恋心 甘い果実 真っ赤な果実
(Sweets, lala Sweets, lala 真っ赤なFruits)
嗚呼...でもそれは首じゃないか…

二人の女 一人の男 一番不幸なのは誰?
落ちた果実 転がる音 余剰な数字 引かれる音
『3-1+1-2』...最後に現れたのは仮面の男
彼らが消え去った後 荒野に一人取り残されるのは誰?
エルの楽園[→side:E→]
エルの楽園[→side:E→]

『私は…生涯彼女を愛することはないだろう…
しかし…彼女という存在は…私にとって特別な意味を孕むだろう…
何故なら…生まれてくる娘の名は…遠い昔にもう決めてあるのだから…』

――そして...幾度目かの楽園の扉が開かれる…

(Elysion, who ah... Elysion, who ah...)

白い大地に 緋い雫で 描かれた軌跡 罪の道標
古びた金貨 握り締めたまま 這い擦りながらも 男は笑った

廻るように 浮かんでくる 愛しい笑顔 すぐ其処に
夢幻の果てに 手を伸ばす様に 扉に手を掛けた

――そして...彼の現実は朽ち果てる……
(Come Down to the Elysion)

少女が小さく 咳をする度 胸の痛みが 春を遠ざける
襤褸い毛布でも 夢は見られる 愛を知った日の 温もり忘れない

眠るように 沈んでゆく 愛しい世界 水底に
夢幻の果てが 手を招く様に 扉は開かれた

――そして...彼女の現実は砕け散る……
(Come Down to the Elysion)

ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではどんな花が咲くの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではどんな鳥が歌うの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園では体はもう痛くないの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではずっと一緒にいられるの?

(ねぇ...お父様(パパ)...)

窓を叩く夜風 弾む吐息 薄暗い部屋 楽しそうな談笑
虚ろな月明かり 白い吐息 薄汚い部屋 痩せた膝の少女

幾度となく繰り返される問いかけ 尽きることのない『楽園』への興味
嗚呼...少女にはもう見えていないのだ 傍らに横たわるその屍体が…

『ねえ、お父様(パパ)』
『なんだい、エル?』
『明日はなんの日か知ってる?』
『世界で一番可愛い女の子の誕生日』
『ふふ…私ね、お誕生日プレゼントは絵本がいいと思うわ…』

(Cross Door)...男の夢想は残酷な現実となり (Cross Talk)...少女の現実は幽幻な夢想となる
(Cross Door)...男の楽園は永遠の奈落となり (Cross Talk)...少女の奈落は束の間の楽園となる

...お父様(パパ)―― その楽園ではどんな恋が咲くの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではどんな愛を歌うの?
...お父様(パパ)―― その楽園では心はもう痛くないの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではずっと一緒にいられるの?

ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではどんな花が咲くの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではどんな鳥が歌うの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園では体はもう痛くないの?
ねぇ...お父様(パパ) その楽園ではずっと一緒にいられるの?

(ねぇ...お父様(パパ)...)

(Elysion, who ah...Elysion, who ah...)
(Elysion, who ah...Elysion, who ah...)
Ark
Ark

『彼女こそ…私のエリスなのだろうか…』

「―――箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬(器官)に手を加えて
驕れる無能な創造神(神)にでも 成った心算なの…」

...Love wishing to the “Ark”

(崩壊 其れは孕み続けた季節 二月の雪の日 『妹』(Soror)の記憶)

「我々を楽園へ導ける箱舟は 哀れなる魂を大地から解き放つ
救いを求める貴女にArkを与えよう」
≪Arkと呼ばれた物≫(それ)は月光を受けて銀色に煌いた…

想い出まで裏切った 冷たい言葉の雨
幸せだった二人 永遠に届かなくなる前に…

「ねぇ...何故変わってしまったの? あんなにも愛し合っていたのに…」
涙を微笑みに換え詰め寄る ≪Arkと呼ばれた物≫(Knife) を握って…

―――愛憎の箱舟(Ark)

『さぁ、楽園へ還りましょう?お兄様…』

(因果 其れは手繰り寄せた糸 六月の雨の日 『兄』(Frater)の記憶)

信じてたその人に裏切られた少女
逃げ込んだ楽園は信仰という狂気
新しい世界へと羽ばたける自己暗示
澄み渡る覚醒は進行という凶器

最期の瞬間に廻った 歪な愛の記憶
脆弱な精神(ココロ)が堪えきれず あの日嘘を吐いた…

律すれば律する程落ちる 赦されぬ想いに灼かれながら
まぐわう傷は深く甘く 破滅へ誘う…

―――背徳の箱舟(Ark)

『さぁ、楽園へ還りましょう?お兄様…』

被験体#1096 通称 『妹』(Soror) 同じく
被験体#1076 通称 『兄』(Frater)を殺害

(Soror with the "Ark", Frater in the Dark)

<症例番号(Case Number)12>
過剰投影型依存における袋小路の構型(Model)
即ち ≪虚妄型箱舟依存症候群≫ (Ark)

(Soror with the "Ark", Frater it's Dead)

限りなく同一に近づける 追憶は狂気にも似た幻想
求める儘に唇を奪い合い 少しずつ楽園を追われてゆく
同じ心的外傷(トラウマ)重ねれば響き合う けれどそれ以上には…

「―――箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬(器官)に手を加えて
驕れる無能な創造神にでも成った心算なの?」 か...

在りし日に咲かせた花弁は 暗闇に散り逝くように凛と
少女の声色で囁く 「楽園へ還りましょう」...

...Love wishing to the “Ark”

監視卿(Watcher)は天を仰ぎ深い溜息を吐く
失った筈の 『左手の薬指』(場所) が虚しく疼いた

―――ふと彼が監視鏡(Moniter)の向こうへ視線を戻すと
嗚呼...いつの間にか少女の背後には『仮面の男』が立っていた―――
エルの絵本【魔女とラフレンツェ】
エルの絵本【魔女とラフレンツェ】

如何にして楽園の扉は開かれたのか…

鬱蒼と茂る暗緑の樹々 不気味な鳥の鳴き声
ある人里離れた森に その赤ん坊は捨てられていた

幸か...不幸か...人目を憚るように捨てられていたその子を拾ったのは
王国を追われた隻眼の魔女 ≪深紅の魔女と謳われた≫(Crimsonの)オルドローズ

銀色の髪に 緋色の瞳 雪のように白い肌
拾われた赤ん坊は いつしか背筋が凍る程美しい娘へと育った...

流転こそ万物の基本 流れる以上時もまた然り
二つの楽園を巡る物語は 人知れず幕を開ける...

〔くやしい…出してくれ…助けてくれ…〕

『ラフレンツェや…忘れてはいけないよ…』

銀色の髪を風になびかせて 祈るラフレンツェ 死者の為に...
小さな唇が奏でる鎮魂歌(Requiem) 歌えラフレンツェ 永遠(とわ)に響け...

時を喰らう大蛇(Serpens) 灼けた鎖の追走曲(Canon)
狂い咲いた曼珠沙華(Lycoris) 還れない楽園(Elysion)
蝋燭が消えれば 渡れない川がある
始まりも忘れて 終わらない虚空を抱く……

〔Creature's voice(=亡者どもの声)〕
「──オノレラフレンツェ」...悲痛な叫びの不響和音(Harmony)
〔Un-satisfied(=尽きせぬ渇望)〕
「──ニクキラフレンツェ」...呪怨の焔は燃ゆる

儚い幻想と知りながら 生者は彼岸に楽園を求め
死者もまた 還れざる彼岸に楽園を求める
彼らを別つ流れ 深く冷たい冥府の川
乙女の流す涙は 永遠に尽きることなく
唯...嘆きの川の水嵩を増すばかり...

──少女を悪夢から呼び醒ます 美しき竪琴の調べ
哀しい瞳をした弾き手 麗しきその青年の名は……

『ラフレンツェや…忘れてはいけないよ…
お前は冥府に巣喰う亡者どもの手から
この世界を守る為の最後の黄泉の番人
純潔の結界を 破らせてはいけないよ…』

祖母が居なくなって 唇を閉ざした
吹き抜ける風 寂しさ孤独と知った
彼が訪れて 唇を開いた
嬉しくなって 誓いも忘れていった...

──それは
手と手が触れ合った 瞬間の魔法
高鳴る鼓動 小さな銀鈴(Bell)を鳴らす
瞳と瞳見つめ合った 瞬間の魔法
禁断の焔 少女は恋を知った...

一つ奪えば十が欲しくなり 十を奪えば百が欲しくなる
その焔は彼の全てを 灼き尽くすまで消えはしない…

『ラフレンツェや…忘れてはいけないよ…』

愛欲に咽ぶラフレンツェ 純潔の花を散らして
愛憎も知らぬラフレンツェ 漆黒の焔を抱いて
彼は手探りで闇に繋がれた 獣の檻を外して
少女の胎内(なか)に繋がれた 冥府の底へ堕りてゆく……

──近づいてくる足音
やがて彼(Orpheus)が乙女(Eurydice)の手を引いて 暗闇の階段を駆け上がって来る
けれど少女は裏切りの代償として 残酷な呪いを歌った
嗚呼...もう直ぐ彼は...彼は振り返ってしまうだろう──

魔女がラフレンツェを生んだのか…ラフレンツェが魔女を生んだのか…
物語はページの外側に…

斯くして…楽園の扉は開かれた…
Baroque
Baroque

『彼女こそ…私のエリスなのだろうか…』

主よ、私は人間を殺めました。
私は、この手で大切な女性を殺めました。

思えば私は、幼い時分より酷く臆病な性格でした。
他人というものが、私には何だかとても恐ろしく思えたのです。

私が認識している世界と、他人が認識している世界。
私が感じている感覚と、他人が感じている感覚。

『違う』ということは、私にとって耐え難い恐怖でした。
それがいづれ『拒絶』に繋がるということを、無意識の内に知っていたからです。

楽しそうな会話の輪にさえ、加わることは恐ろしく思えました。
私には判らなかったのです、他人に合わせる為の笑い方が。

いっそ空気になれたら素敵なのにと、いつも口を閉ざしていました。
そんな私に初めて声を掛けてくれたのが、彼女だったのです。

美しい少女(ひと)でした、優しい少女(ひと)でした。
月のように柔らかな微笑みが、印象的な少女(ひと)でした。

最初こそ途惑いはしましたが、私はすぐに彼女が好きになりました。
私は彼女との長い交わりの中から、多くを学びました。

『違う』ということは『個性』であり、『他人』という存在を『認める』ということ。
大切なのは『同一であること』ではなく、お互いを『理解し合うこと』なのだと。

しかし、ある一点において、私と彼女は『違い過ぎて』いたのです。

狂おしい愛欲の焔が、身を灼く苦しみを知りました。
もう自分ではどうする事も出来ない程、私は『彼女を愛してしまっていた』のです。

私は勇気を振り絞り、想いの全てを告白しました。
しかし、私の想いは彼女に『拒絶』されてしましました。
その時の彼女の言葉は、とても哀しいものでした。
その決定的な『違い』は、到底『解り合えない』と知りました。

そこから先の記憶は、不思議と客観的なものでした。
泣きながら逃げてゆく彼女を、私が追い駆けていました。
縺れ合うように石畳を転がる、《性的倒錯性歪曲(Baroque)》の乙女達。
愛を呪いながら、石段を転がり落ちてゆきました……。

この歪な心は、この歪な貝殻は、
私の紅い真珠は歪んでいるのでしょうか?

誰も赦しが欲しくて告白している訳ではないのです。
この罪こそが、私と彼女を繋ぐ絆なのですから。
この罪だけは、神にさえも赦させはしない……。

『ならば、私が赦そう…』

──激しい雷鳴 浮かび上がる人影
〔Baroque Vierge, Baroque zi le fine…〕
いつの間にか祭壇の奥には『仮面の男』が立っていた──
〔(Baroque Vierge, Baroque zile fine…〕


※Baroque Vierge, Baroque zile fine…=歪んだ真珠の乙女、歪なる日に死す…
エルの肖像
エルの肖像

白い結晶の宝石は 風を纏って踊る
樹氷の円舞曲 遠く朽ちた楽園

黒い瞳孔(め)の少年は 風を掃って通る
樹氷の並木道 深い森の廃屋

少年が見つけた 少女の肖像画
『彼』は病的に白い 『彼女』に恋をしてしまった...

幼い筆跡の署名(Sign) 妙に歪な題名(Title)は
【最愛の娘エリスの八つの誕生日に...】

退廃(Decadence)へと至る幻想 背徳を紡ぎ続ける恋物語(Romance)
痛みを抱く為に生まれてくる 哀しみ
第四の地平線─―その楽園の名は『ELYSION』

──そして...幾度目かの楽園の扉が開かれる……

やがて少年は彼の≪理想≫(idea"L")を求めるだろう...
やがて少年は彼の≪鍵穴≫(keyho"L"e)を見つけるだろう...
やがて少年は彼の≪楽園≫(e"L"ysion)を求めるだろう...
やがて少年は彼の≪少女≫(gir"L")を見つけるだろう...

娘もまた母になり 娘を産むのならば
楽園を失った原罪を 永遠に繰り返す……

始まりの扉と 終わりの扉の狭間で
惹かれ合う『E』(EL)と『A』(ABYSS)──愛憎の肖像

禁断に手を染め 幾度も恋に堕ちてゆく
求め合う『E』(EVA)と『A』(ADAM)──愛憎の肖像

やがて少年は♂(オトコ)の為に自らを殺し 少女は♀(オンナ)の為に自らを殺す
時の荒野を彷徨う罪人達は 其処にどんな楽園を築くのだろうか?

──幾度となく『E』(Elysion)が魅せる幻影 それは失ったはずの『E』(Eden)の面影
嗚呼…その美しき不毛の世界は 幾つの幻想を疾らせてゆくのだろう──
Yield
Yield

『彼女こそ…私のエリスなのだろうか…』

一人娘は せっせと種を蒔く
変わらぬ過去に 訪れぬ未来に

不毛な行為と 君は笑うだろうか?
それなら君は 幸せなんだろうね...

根雪の下で春を待つの 夏が過ぎれば実りの秋ね…

成果...収穫...それは果実を産む
(harvest harvest it yields fruits)
最も遅い収穫…それは甘い果実を産む
(la la, latest harvest it yields sweets)

一夜限りの 情事(ユメ)でも構わない
それをも女は 永遠に出来るから

不毛な恋と 君は笑うだろうか?
やっぱり君は 幸せなんだろうね...

凍える夜は夢を見るの 夏が過ぎれば想いが実る…

結果…収穫…それは果実を産む
(harvest harvest it yields fruits)
最も遅い収穫…それは甘い果実を産む
(la la, latest harvest it yields sweets)

「3」 ...不安定な数字 「3-1」 ...模範的な数式
問題となるのは個の性質ではなく 唯...記号としての数量
世界が安定を求める以上 早くどれか一つを引かなければ…

何故人間(ひと)は恋をする 相応しい季節(とき)に出会えないの?
嗚呼...お父さん(Dad)...お母さん(Mam)

「──それでも私は幸せになりたいのです……」

恋心 甘い果実 真っ赤な果実
(Sweets, lala Sweets, lala 真っ赤なFruits)
もぎ獲れないのなら 刈り取れば良いと...
恋心 甘い果実 真っ赤な果実
(Sweets, lala Sweets, lala 真っ赤なFruits)
嗚呼...でもそれは首じゃないか……

二人の♀(オンナ) 一人の♂(オトコ) 一番不幸なのは誰?
落ちた果実...転がる音 余剰な数字...引かれる音

「3-1+1-2」

──最後に現れたのは『仮面の男』
彼らが消え去った後 荒野に一人取り残されるのは誰──
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